脳のフィルター

私が妊娠していた

当時の事である

街を行き交う人々の中に

今まであまり

目に留まる事のない

妊婦さんの姿を

非常に良く見かける様になった

これには

私の母も同意であり

街にこんなにも妊婦さんが

居るのだと驚嘆した事を

伝えてくれた

最近の出来事であるが

活字の美学を学び

表現力の幅を広げる事を

目指していると

予てより愛読している

芸術的な二人の人生を描く

恋愛小説の

美しい表現方法に

一層、胸を打たれるのである

今まで如何に

ストーリーのみを追いかけ

登場人物の心の機微を表す

豊かな文章表現を

味わう事を疎かにしていたのか

思い掛けず

痛感するのである

目にしているにも関わらず

自身の興味がなければ

脳のフィルターに掛けられてしまい

ある人には届いているが

ある人は受け取る事が出来ない

このような事態が起こる

自分の得たいものに焦点を当てる

世界とは主観である

Sonomi